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首里散歩 Vol.67 場を愉しむ 2020年10月5日

「気持ちいい…」
そんなつぶやきがついつい出てしまう、気候の良い沖縄です!

太陽は暖かいのですが、風は爽やかで、
普段は遠慮しがちな日の高い時間でも、外にいられる、一番いい季節かもしれません。

最近、両親のマンションに、手伝いに行く機会が増えたのですが、
密かな楽しみが、管理人さんなんです!
お昼休みには、休憩中の看板を出して、ガラス戸の向こうで突っ伏して寝ていたり、
いつも、少しいたずらっぽい笑顔を浮かべて、「お父さんの調子はどう?」などと声をかけてくれます。

少し時間のある時は、戦後の首里の山で育った、少年時代の話をしてくれます。
首里の山を掘って遊んだ話や、目印のない山道でテリトリーを広げて行った話などは、
なかなかスリリングな展開でした!
兄弟が10人くらいいて、お兄さんがワルだったおかげで、
名前を言えば、たいてい危ない目に遭わなかったとか、
那覇の学校では、誰かが他校にいじめられると、
いじめられた学校のワルたちが必ず仕返しに行ったものだとか。
くりくりした愛嬌のある表情で教えてくれる話は、どれもとても楽しくて、
時間を忘れてしまうのです。

あと、もう一つの楽しみは、玄関前からの海の景色です!
箱庭のように、とても綺麗に見えます。

羨ましい環境だなぁとも思いますが、
家にこもっていると、どんなにきれいな景色も、なかなか心に残らないと言います。

そんな両親を誘って、最近ハマっている、夕刻の散歩に出かけました。
最初は気乗りしなかった父も、
「木登りがこわくてできない」と悩む息子を、勇気づけてくれました。
爺婆効果は絶大で、あっという間に、大きく飛び降りれるようになりました!

くれなずむ海景を眺めながら、「気持ちいいね」と、父もつぶやいた時、
なんだか嬉しさがこみあげてきました!

駐車場を出る頃には、すっかり陽も落ちて、去年の今頃にあったお祭りを思い出しました。
今年は家族で、ゆっくりと夜を迎えて、「また、来ようね」と誓うのでした。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子